エステティシャンやプロの美容家でも意外とまだ知らない方が多い「美肌菌」。
以前、美容外科で自分の肌の美肌菌を培養するという斬新な方法がテレビでも話題になりました。
まず、自分の肌から美肌菌を抽出し、それを培養し冷凍保存して、定期的に肌に塗っていく事で、美肌菌が多くなるという技術ですが、半年で60万円以上もする高価な方法にもかかわらず、かなりの申し込みがあるそうです。
ただ、せっかく高い費用をかけて美肌菌を増やしても、そもそも美肌菌が死滅しやすいメイクを続けていては効果も台無しです。
美肌菌は誰の肌にも存在し、これを保つ事で高価な化粧品が必要なくなり、何種類もの美容液を塗り込んでいた時よりも遥かに素肌の調子が良くなります。
実のところ、この知識が広まると化粧品会社やエステサロンには都合が悪いと思いますが、この業界がもっと健全で科学的根拠に基づいた技術を発展させてほしいという願いを込めて、自宅でできる美肌菌の正しい育成方法をお伝え致します。
【美肌菌とは何か?】
正式名称は「表皮ブドウ球菌」という、誰の肌にも常在する善玉菌。
この美肌菌は、皮脂や汗を分解することで、天然保湿成分の生成や肌を弱酸性に保つ役割を果たします。
なので、逆に美肌菌が減少すると、肌の水分量が低下し、さらにアルカリ性に傾くことでニキビの原因となるアクネ菌が増殖しやすくなります。
また、肌が乾燥することでシワが出来やすくなり、肌老化のスピードも上がります。
綺麗な肌を保つ為のなくてはならない、天然の美容成分の様な存在です。
【成人女性の肌は、美肌菌が少ない】
この重要な役割を果たす美肌菌が、大幅に減少する主な原因は、メイクやクレンジングだと言われています。
とくにリキッドファンデやBBクリームのような、肌にベッタリ塗って密閉するタイプは、皮膚呼吸もしづらい上に、タルクや紫外線吸収剤などの化学成分の影響で、美肌菌も死滅しやすくなります。
さらに、強力なクレンジングは素肌の水分保持機能の低下に繋がります。
エステサロンでのカウンセリング時に、肌の現状を聞くと、「私は乾燥肌で敏感肌です。」と、自分の肌は人より特に敏感だ、と言われる方が多いですが、何千人もの肌を見てきた立場から言うと、ほぼ9割の人は、乾燥&敏感肌です。つまり、それが普通なのです。
現代女性のほとんどが、毎日ベースメイクを一日中塗っていて、強力なクレンジングも毎日使用しますので、この事が乾燥&敏感肌の大きな原因だと言われています。
【美肌菌を増やすには?】
美肌菌は、多ければ多いほど良い、という物ではなく、適度な量が元々の肌に常在していますし、一時的に減ってしまったとしても、肌が良い状態に戻れば徐々に元の適量に戻っていきます。
なので、外から美肌菌を付けたす事よりも、美肌菌が減少する原因を取り除く事が一番効果的です。
シンプルに、減らさない事を心がければ良いだけです。
ただそうは言っても、メイクをせずクレンジングも使わないというのは、働く女性には無理な話です。
まずは、出来るだけ肌に負担の少ないベースメイク素材を選び、なおかつ洗顔料だけで落とせるメイクをマスターすることが大切です。
何層もベースメイクを塗り重ねるのはもう時代遅れなのかもしれません。手間暇かけた割には厚塗り感があり不自然で、崩れやすくもなります。
やはり、素肌感が活かされたナチュラルなベースの方が見た目も綺麗で若々しく見えます。
【まとめ】
肌断食といわれる、化粧品やメイクを一切断つ事で、肌の自己再生能力を高めて美肌を取り戻すという方法が一時期ブームとなりました。
実際に、3ヶ月間だけ肌断食を維持しただけで、肌が生き返ったようにすごく調子が良くなります。
そういう事例からも、いかにメイクやクレンジングが肌に悪影響を及ぼしているか、という事実がわかります。
もちろん全てのファンデやクレンジングが悪いとは言い切れませんが、使わないで済むなら、それに越したことはありません。
「スリムで健康的な体になりたい」という人が、毎日ラーメンやファーストフードばかり食べながら一生懸命ジョギングに励むのは何とももどかしく見えます。
せっかくジョギングをするなら、一番影響の大きい食事もヘルシーなものにした方がダイエット効果も早く得られるでしょう。
それと同じように、「綺麗で若々しい肌になりたい」と思うなら、重苦しいベースメイクをしながら高価な美容液やエステ通いをするのはもったいない事です。
一番影響力の大きいベースメイクを、肌に安全な物にする事が本当の美肌を手に入れる事の最短ルートであると断言します。
今すぐ全て実行するのは難しいと思いますので、まずは無理のない範囲で出来ることから始めて見ることをおすすめ致します。
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